おらが県に会いに来て!人気の地方自治体PR動画3選

2015年の訪日外国人観光客数は、史上最多となる前年比47.1%増の1,973万7,000人。空前の「日本観光ブーム」は、日本の良さをあらためて確認することにもつながっています。旅慣れした外国人客が増えることで、定番の東京、大阪、京都、富士山などの有名観光地に加えて、今後は地方にも注目が集まるでしょう。今回は、「おらが県がいちばん」をアピールする地方自治体のすぐれた観光PR動画を紹介します。

編集ナシの撮って出し!「美しすぎる映像」で再生100万回の鹿児島県

鹿児島県の魅力を発信する「Kagoshima Energetic Japan」。特設サイトは最初から外国人観光客を意識し、英語だけでなく、中国語や近年訪日客数が伸びている東南アジアからの観光客向けにタイ語にまで対応しています。
特筆すべきは、サイトに掲載された動画の美しさ。観光PRにありがちなにぎやかなBGMや過剰な演出、タレントの出演などはなし。ナレーションすらもありません。


例えば、「屋久島 いなか浜の夕陽」というこの動画ではなんと、屋久島で夕陽が沈む様子を約1時間にわたってひたすら流しているだけ。編集もなく、波の音と夕陽の輝きを映しているだけなのに、なぜか不思議と心が洗われていきます。
祭りや風景、食材などをテーマとした各動画には「旅人目線」という共通点があり、自分が実際にその場に訪れているような気分になります。
各動画は、長崎県出身の映像作家、永川優樹さんを起用し4Kで撮影されたとのこと。約1カ月間で再生数はなんと100万回を超えました。

「うどんだけじゃないよ!」香川県

香川県といえば、名物のさぬきうどん。うどんの消費量は全国平均の2倍強で、「うどん県」として名を馳せる香川県が、うどんだけじゃない! とばかりに、「愛にきて香川県」と題したキャンペーンを開始。世界的に有名な演出家の宮本亜門さん監修の動画で県の観光をアピールしています。宮本さんは、祖父が香川県坂出市の出身だとのこと。
「愛にきて香川県」のメインコンテンツは、県各地に散らばるアートの鑑賞。

例えば、「金刀比羅宮「書院の美」にふれる」の回では、円山派の始祖である江戸時代の天才画家円山応拳筆の技法が生かされた障壁画を紹介。これらの壁画が残された表書院・奥書院は、重要文化財に指定されています。
ただ、宮本さんが「アート」として紹介するのは、いわゆるこうした教科書的な歴史遺産や芸術作品だけではありません。



「おむすび山の“田園美術館”」というこの動画では、「香川県の自然景観ってなんともいえないですよね」と話し、讃岐七富士に数えられる「おむすび山」の姿かたちなどを、「作家にインスピレーションを与える風景」として紹介しています。

温泉で世界を沸かせる!「おんせん県」の大分

別府や湯布院など有名な温泉地を抱える大分県。最近では、韓国や中国などから近いという地の利もあり、外国人観光客が増えています。
その大分県は、「おんせん県おおいた」というキャッチフレーズを掲げ、ユニークなCMを制作して話題を集めています。
特設サイトには「日本一の温泉で世界を沸かせたい」と、外国人観光客を狙った意気込みも。


「【おんせん県】「シンフロ」篇」のこの動画では、なんと、元・日本代表選手が率いるプロのシンクロチームが、大分県の温泉でシンクロにチャレンジ! 「熱くないのかな……」と心配になってしまいますが、そこはプロ。一糸乱れぬその動きは、コミカルですらあります。それにしても、シンクロって、砂蒸し風呂や打たせ湯、泥湯ですらパフォーマンスできるんだ! という驚きとともに、大分県がもつ温泉の多彩さにも圧倒されます。

「ありふれたもの」が旅人の心をゆさぶる

鹿児島、香川両県の動画とも共通しますが、旅人の心をゆさぶるのは、歴史的な建造物や観光地ばかりではありません。その土地に密着し、長年愛されてきた自然や風景なども、立派なPRコンテンツになりえるのです。
もしかしたら、地元の人が「えっこれが?」と思ってしまうようなごくありふれたものでも、動画で紹介することによって、一気に人気を博す可能性は大いにあるでしょう。

参考: