グリーの動画広告参入で話題、米「アドコロニー」とは?

SNSゲームプラットフォームのグリーが動画広告事業に参入というニュースをご存じでしょうか?

昨年11月にグリー傘下のインターネット広告会社グロッサムが、スマートフォン(スマホ)向け動画広告事業に参入すると発表しました。アメリカの動画配信会社アドコロニーの保有する動画配信プラットフォームのライセンスを日本国内で独占的に取得したのです。スマホの動画広告市場を、ゲームアプリという限られた範囲だけでなく国内のスマホアプリ全体で展開し、広告利益を独占しようとするグリーの新たな意欲を感じるニュースでした。

ここで話題になったアメリカの大手動画配信会社アドコロニー社が開発した高度な動画配信とは何か?
それらがもたらす日本の動画広告への影響を考察してみました。

アドコロニーの動画配信はどこがスゴイのか?

創業は2011年という勢いのあるベンチャーのハイテク会社アドコロニー。この会社の開発した動画配信技術の狙いは、既存のTVCMを凌駕するに勝ることに尽きます。つまり、TVと同等かそれ以上の高画質で、まるでTVCMを見ているかのようなよどみない配信スピードをどんな環境でもネット動画で実現させる。高画質、滑らかな配信スピードというこの2点は、今まで動画広告が抱えてきたアキレス腱だったといっていいでしょう。インフラが急速に発展した現在、Wi-Fi環境のなかでは比較的ストレスなく動画をスマホで見ることができても、いざ戸外に出てみると公衆無線LAN環境はごく限られている状態です。3Gもしくは4Gといったスマホのデータ通信で動画を見ると、データ通信契約の上限をすぐに超えてしまったという経験は誰にでもあることでしょう。

一方で、アドコロニー社の開発した独自の動画広告技術「Instant-Play」を使えば、スマホでも他のプラットフォームよりも速い0.1秒で高画質動画を再生することができます。世界中で毎日浪費されるモバイル動画の再生読み込み時間を合計すると6.5年以上といわれており、アドコロニー社曰く、そんなもったいない話はないだろうと開発したとのこと。バッファリングでイライラすることなく、サクッと動画広告が再生されることで、広告の訴求効果が高まることがアメリカで実証されています。事実、アメリカで売れているアプリの7割以上でアドコロニー社のネットワークが採用されているといいますから、すでに折り紙付きの実績があります。

他のプラットフォームより速い再生を実現させたアドコロニー社のInstant-Play

動画広告は15秒がベスト

現在、動画広告は実質Google傘下のYouTubeが独占状態。最近ではFacebookの参入も話題になり「競合というよりは市場をみんなで育てているという状態が近い」とグロッサム社の青柳直樹社長は、国内の動画広告市場について語っています。「既存のスマホ広告のハイプレミアム版という認識の刷新」という青柳社長のメッセージは、スマホアプリに企業動画広告がついてくるのが当たり前になることを意味しているのでしょうか?

アドコロニー社は、動画広告の尺の長さについて、アメリカでの実証実験の結果として11〜20秒が一番効果的だったとしており、15秒の動画広告がベストという結論を出しています。というのも、アドコロニー社の料金課金は、最後まで視聴したら課金される方法をとっており、動画をスキップできないのが特徴なので、短い尺は必須条件です。

ウナギ上りのアメリカ動画広告市場

アドコロニー社がアメリカで急成長した背景には、モバイルデバイスの高い普及率があります。タブレットは47%、スマホは51%の普及率。これらのデバイスで動画を見るユーザーは2億人、そのうち毎月少なくとも1回は動画を見るモバイルユーザーは54〜77%といいますから、その市場の大きさはものすごい規模です。市場規模は2014年で14億円、今後4年で約50億円に、世界規模では100億円まで成長するといわれています。

スマホ市場はアメリカよりも大きい日本

では、日本では動画はこれからどうなるのでしょう? 日本では、2014年のスマホ普及率はアメリカよりも高い59%といわれています。つまり6400万人のスマホユーザーが動画を見ているということになります。スマホでの動画広告は日本でブレイクする可能性はとても高いといえるでしょう。膨大なデータ通信を必要とせずに、高画質でクリックして0.1秒後には再生される動画広告がアプリに配信されるとなると、ネット動画広告に流入する広告費は急速に伸びることは間違いなさそうです。企業側もスマホへの配信により、より正確なマーケティング測定が可能になり、消費者のニーズを確実に捉えた広告アプローチができるようになります。いよいよ日本にも、本格的なネット動画広告時代の到来です。

 

参考: