編集

 

さて上映も3日後に迫って参りました。

 

今自分が編集に追われているんじゃないかと思われている方もいるかもしれませんが・・・実は当日ギリギリまで編集を出来る訳ではなく、既に上映用の作品は提出を終えているのです。

上映前までに必ず行う行程のとして、スクリーンチェックがあります。実際に流す劇場で画面の色調や音響のチェックをしたり、再生手順・当日の段取りの確認を劇場側とするのです。また単純に、当日に持って行って何か上映素材に不具合があると取り返しがつきません。

という訳で先日15日に既に提出とスクリーンチェックを行ったのでした。ただ5日前にやっている時点でもかなりギリギリではあります。修正点が見つかってももう変更できませんので。

ですが12日撮影終了で15日提出ですから、ちょっとなかなか無いくらいの時間の無い編集期間でした。

 

 

ただ一応言わせて頂きますと、このように編集作業にほとんど時間をかけないで上映ことを是とする訳では全くありません。むしろ時間はかけられるだけかけるべきだと思っています。

 

これが編集画面です。タイムラインと呼ばれるウィンドウに映像素材を並べて行きます。上の青色が映像、下の緑色が音声のデータを現しています。

映像の方はカットの並べ方から、カットとカットのつなぎ目の一コマ単位での調整、また基調となる画面の色調とトーンを決め、作品全体で統一されるように微調整を繰り返します。

 

そして音声ですが、写真を見てもらえればお分かりの通り、音声の方が映像の何倍もタイムラインに並んでいるデータ量が多いです。これが何故かというと、基本的に映像は一台のカメラで一つの映像トラックを撮影していきますが、音声は一回の撮影でマイクを3〜4種類くらい使用して、別々のトラックで記録することがザラだからです。

この写真では大きなマイクが2つ見えますね。これがガンマイクと言います。撮影現場と言えばこれって感じがしますね。テレビのロケなどでも皆さん目にすることがあると思います。ガンという名の通り、マイクを向けた鋭角の一方向のみの音を集音します。

そして映ってはいませんが、ここでは役者2人もそれぞれピンマイクというワイヤレスの小さなマイクを胸元近くに隠してつけています。これは台詞を録ることのみを目的としたカメラです。

更に今回の現場では+αで録音部の方が自作した特殊なマイクも使用したりして、音はかなり贅沢に収録したと言えます。

インディーズ映画とかだと音がどうしてもおざなりになるというか、映像に比べて予算をかけれないところでもあるのですが、今回は機材提供でご協力下さった方がいて、また実際の収録自体も非常に精通しているベテランの方にお願い出来ましたので、素材はとても素晴らしい音が録れています。

 

ただ、素材が複数トラックで丁寧に録れているからこそ、編集にはとーーーっても時間がかかるのです。それぞれのマイクの音量バランスを探り、ノイズをカットし、必要あらばエフェクトをかけて、またそれがシーンの雰囲気や構成上の意図に沿った効果をもつ必要があります。

そして、その役者の台詞は目の前で話された声なのか10m離れたところの声なのか、野外なのか室内なのか、また同じ野外でも街中なのか森の中なのか、同じ室内でもマンションの一室なのか広い体育館なのか、つぶやくように話しているのか大声で叫んでいるのか、そしてただの雑談なのか映画のラストの一番重要な台詞なのか、それがきちんと音を聴くだけで伝わらなければなりません。

しかし、これを基本的にはヘッドフォンで聴きながら音を調整するのですが、調整した同じ音をスピーカーで聴くとまた全然違いますし、更にスピーカー一台一台全然違います。しかもこれが正解だというものがありません。

 

 

音声一つとってもこれだけの工程が必要です。今回の30分程度の映画でも、音をきちんと編集しようと思ったら音だけで丸々1週間はかかると録音部の方には言われました。でも確かにそれくらいかかるだろうし、かけるべきだと思います。

という訳で本当に完璧にやろうと思ったらいくらでも時間はかかるし、かけられる、という訳ですので、今回の上映がそうじゃないというのはこれまでさんざん告知しておいて申し訳ないところです。しかし、撮影から公開まで2週間弱の期間で行うということのスピード感と言いますか、そこの面白さ・熱みたいなものが伝われば良いと思っています。

 

 

そして今回の企画で20日に上映するのは、今回限定の短縮編集版です。撮影した素材を全て繋げると上映枠を大幅にオーバーし てしまったため、急遽時間を詰めた短縮版を作成しました。元は40分弱になったのを、30分ちょうどくらいに縮めています(それでもオーバーしているので すが何とか許してもらいました)。

ですので今回上映するものは脚本とは少し違った解釈を持った、今回しか上映する予定の無いある意味貴重な上映となります。

 

そんなような色々も含めて、20日の上映を楽しんで頂ければと思います。

嶺隼樹