土屋豊監督、そしてタリウム少女。

 

こんにちは、ロッテルダムからレポートです。

現在こちらは30日の朝6時です。

 

昨晩はホテルの部屋の天井から謎の大量漏水で部屋中が大変なことになりました。フロントに言って翌朝部屋を変えてもらいましたが、なかなかどうして落ち着かない一夜でした。

 

 

さて今日は、『タリウム少女の毒殺日記』監督の土屋豊さんについて、そして作品自体についてお話ししたいと思います。

 

まず監督の土屋豊さんについてです。

 

1966年生まれ。1990年頃からビデオアート作品の制作を開始する。同時期に、インディペンデント・メディアを使って社会変革を試みるメディア・アクティビズムに関わり始める。

1998年より、インディペンデントビデオの普及・流通をサポートするプロジェクト「ビデオアクト」を主宰。2012年より、映画の多様性を創出する独立映画ネットワーク「独立映画鍋」共同代表。

1999年、異色の長編ドキュメンタリー『新しい神様』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で国際批評家連盟賞特別賞を受賞。劇場公開でもロングランを記録。

2003年、長編フィクション『PEEP "TV" SHOW』がロッテルダム国際映画祭で国際批評家連盟賞、モントリオール国際ニューシネマ映画祭で最優秀長編映画賞を受賞するなどし、海外でも劇場公開され、国際的な注目を集めた。 (土屋豊公式ブログより転載)

 

このような経歴の方で、メディアや宗教や政治的な問題を題材として、常に新しい視点で映画を作り、作品を発表する度に賛否両論の議論を巻き起こしてきた人です。日本についての興味深い分析を提供してくれる存在として、海外からの注目も熱い監督です。

 

そんな土屋監督の9年ぶりの新作が何度も名前を出していました、

『タリウム少女の毒殺日記/GFP BUNNY』です。

(公式サイトより転載)

 

読んで頂ければお分かりの通り、かなり過激な作品です。

しかし過激と言ってもドラッグをキメてぶっ飛んでいるような過激さではなく、深い思索と綿密な調査に裏打ちされた、本気で世の中を変えようと思っている人の過激さです。普段私たちが無視して、または考えることを放棄して従属してしまっている社会の様々なシステムに対して、否定とも肯定とも一言で括れない新しい見方を観客に届けようとしているということです(ちなみにここでの「システム」とは村上春樹氏がエルサレム賞受賞スピーチで言ったようなニュアンスとお考えください)。

 

しかしそれでも、この作品は現代社会に対してとても鮮烈な肯定をしているように自分は感じました。

本当に2013年のまさに今、現在進行形で生きている人々に観られるべき作品だと思います。

 

 

次回更新にて、この映画の宣伝・配給・上映の試みについて触れたいと思います。

そして一応言っておきますが、土屋監督自身は非常に律儀で誠実な、ユーモアの分かるお人柄ですよ!

 

土屋豊監督(左)、主演の倉持由香さん(右)

ロッテルダムの映画祭会場にて

嶺隼樹