スマートテレビの登場で見直したい、音声検索のための動画SEO

2014年に発売されたパナソニックのスマートテレビ『AX800』。ビエラシリーズの4Kバージョンということで、ちまたではスマートビエラと呼ばれています。画面上にインターネット機能を大きく設けており、「既存のテレビのネット化がこれで一気に進む」と話題になりました。一方、ネットコンテンツの拡大に危機感をもつ民放テレビ局からは猛烈な反発を受け、「スマートビエラのCMが拒否される!」とニュースになったほどです。なぜこれほどまでにスマートテレビは、脅威とされているのでしょうか? その理由を探りながら、これからの動画制作に必要な対策を考えていきたいと思います。

 

テレビのネット化があおる危機感と、これからの音声動画検索

スマートテレビの大きな特徴の1つが、「音声検索機能」。番組視聴中に分からないことがあれば、すぐに調べられる上に、Youtubeなどのネット動画をわざわざPCを開かずとも、リビングの大画面で見ることができるのです。選択肢が乏しく何となくボーッと見ていたテレビから、自分で見たい動画を探して見る。ポジティブなテレビの見方へと変わっていく予感がします。加えて、民放テレビ局が危機感を感じているのが「これまで視聴率を支えていた、生命線でもある中高年層がネット動画へ一斉に移行するのではないか」ということ。これではテレビ局の存在がかき消されるとして、「CM拒否」という騒動が起こったのです。

いずれにせよ、遅かれ早かれお茶の間にネット動画の波が押し寄せるのは時間の問題と言えます。米国では10代がスマホで音声検索を使用する率が50%を超えると言われており、今後テレビでの音声検索が当たり前になってくることでしょう。チャンネルは必要なくなり、「面白い動画」とテレビに向かって話す日もすぐですね。となると、視聴率は“Google検索の1ページ目の上位にのるかどうか”にかかってくるでしょう。 そのためにも、「視聴者が見たい動画を、どんなキーワードで検索するか」を知る必要があります。それはこれまでのようなSEOワードではなく、もっと人の行動や心理を反映させた、直感的な言葉になっていくかもしれません。

 

音声検索のために意識しておくべき、SEO対策ポイント2つ

先にも書いたように、いかに検索の上位に表示されるかが、コンテンツ制作を左右します。通常のサイト用ではなく、動画のためのSEO戦略を練っておきましょう。

 

ポイント1:1つのコンセプトに、様々な長さの動画を制作する

30秒、1分、3分、10分など、1つの商品に対して、様々な尺の動画を制作するようにしましょう。そして視聴者の興味や年齢、目的によって、各動画のタイトルや説明文を作成し、動画プラットフォームに掲載するのです。こうすることで検索の対象となるページを1つの動画につき、複数用意することができます。

実際に、実践している再春館製薬所のCM「手術ができる工場」を見てみましょう。

 

 

こちらは30秒バージョンです。どんな印象を持ったでしょうか? 続いて、60秒バージョンをご覧ください。

 

 

30秒のものとの違いがわかっていただけましたか? 短い方は「会社や製品をまだ知らない人向け」になっており、企業コンセプトをあるポイントにだけ絞って、ストレートに伝えるものに仕上がっています。もう一方は、さらにこの企業の安全基準の徹底さをしっかりと伝える構成になっており、「すでに企業名やコンセプトを知っている人向け」と言えるでしょう。検索者別に、Googleの上位に表示される対策がされているのがわかります。

 

ポイント2:掲載する動画プラットフォームの特性を理解する

動画プラットフォームには「動画共有サイト」と「レンタルサーバー」などがあります。自身が作成した動画やターゲット別に使い分けることで、検索上位にくるかどうかに影響してくるのです。

動画共有サイトとして一番利用されているのは、YouTube。押さえておきたい特性の1つは、タイトルの頭から5~6語が検索結果に反映されることです。簡潔明瞭にすることも大切ですが、タイトル冒頭に検索に引っかかってほしいワードを入れるようにしましょう。もう1つの特性は「タグ」で、タグにあとからキーワードを追加したことで再生回数が2倍になった事例もあるほどです。SEOキーワードだけでなく、直感的に動画を見て思い浮かべそうなワードも書き込みましょう。自身の関連動画への紐付けの指標にもなりますよ。1クリックでFacebookやTwitterへ転載できる点も、生かしたいですね。

次にKaltura、Wistiaなどのホスティングサービスですが、あまり聞きなれない言葉かもしれません。要はレンタルサーバーのことで、インターネットに情報を発信するサーバーの容量の一部を間貸しするサービスのことを言います。フリーアドレスではなく、独自のドメインでアドレスをとっている、といえばわかりやすいでしょうか? ホスティングサービスの特性の1つは、Youtubeに比べて、動画が視聴された時間帯、尺、ユーザーのカテゴリーなどの分析データが多岐に渡り入手できるシステムが整っていることです。これらのメタデータから、どんなキーワードを選べばいいかが分かります。また動画が掲載されているページ(ディスクリプション含む)に、ワードを入れ込めるのも、特性の1つですね。

動画を拡散させるためにはSNS機能と紐づいた動画共有サービスを、ユーザー分析、視聴の偏っている動画部分や時間帯などのためにホスティングサービスを。それぞれの特性を理解して使いこなすことが、最強の動画マーケティングと言えるでしょう。

 

見られる動画のSEO対策とは、心と向き合うこと

ネット検索はキーワードを入力して検索する時代から、話し言葉で音声検索される時代にシフトしてきています。今までは、形態や種類、状態などを表す言葉をキーワードとして用いてきました。心に浮かんだ言葉にバイアスをかけて、より検索結果が出やすいワードを予測してきたように思います。そうしたシステムに合わせて言葉を選ぶのではなく、普段使っている言葉や表現に合わせたキーワードのタグづけが音声検索にマッチするかもしれません。それには「人間の内なる心の声を聞くこと」が鍵になってきます。視聴者の心に向き合った動画制作をし、常に検索で上位表示されるコンテンツを目指しましょう。定期的にキーワードを見直すことも、忘れないでくださいね。

 

 

参考:

➢         Googleの新しい検索アルゴリズム(ハミングバード)と今後のSEO対策|Marke Style

➢          Google検索結果で1ページ目になる確率が53倍!?動画SEOとは|movieTIMES ムービータイムス

➢          動画配信プラットフォームの選択とYouTubeの利用|ASCII.jp

➢          動画配信プラットフォーム「Kaltura」